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              エスマ
            Esma (vo) 
            シメオン・アタナソフ Simeon Atanasov (acc) 
            サミ・ゼキロフスキ Sami Zekirovski (cl) 
            ザヒル・ラマドノフ Zahir Ramadonov (tp) 
            エリャム・ラシドフ Eljam Rasidov (tarabuka) 
            エルヴィス・フナ Elvis Huna (bass acc) 
            
  
            マケドニア・スコピエ出身。デビュー以来40年間、他民族国家であった旧ユーゴスラビア〜独立後のマケドニアの国民的スーパー・スターとして君臨し、「クイーン・オブ・ザ・ジプシーズ」「リヴィング・レジェンド」と呼ばれるバルカン/ジプシー音楽の伝説的な女性シンガー。 
            幼少時より、ミュージシャン、ダンサー、そして女優としての才能をステージで発揮し始め、この頃、ジプシー音楽の父と言われる(後に私生活の上でもパートナーとなる)故ステヴォ・テオドシエフスキによって見いだされ、育てられる。10代後半の1961年には、ベオグラードのテレビに出演、ブルガリアでの海外初公演。ベルリン、ウィーン、オーストラリア、インド、北アメリカなどでも公演を行い、主演映画も作られるなどスター街道を歩き続ける。以来、エスマとステヴォのバンド「テオドシエフスキ・アンサンブル」は常に行動を共にする。そして40年の間に、彼らは数多くのツアーをこなし、400以上のレコーディングを残し、数々の音楽賞を受賞。全バルカン地方において、最も有名で成功したグループの1つになった。 
            エスマと故ステヴォは47人もの孤児やストリートチルドレンを養子にし、音楽を教えてきた。今日、彼女はスコピエで「人類の家」「音楽のミュージアム」と呼ばれている豪邸に暮らしており、それを子孫達に遺すつもりでいるそうだ。 
            
  
            アルバム『届かぬ想い』 
             2000年にリリースされたエスマの最新作『届かぬ想い』はもうお聴ききになりましたか?このアルバムは本当にジプシー音楽の傑作です!エスマの声にはぶっ飛びます!! 
            マケドニアのロマの女王。冒頭、アカペラのヴォーカルにまず圧倒され、引きずり込まれる。もうこの一曲だけでも買い、なのだが、その後、一転して強烈なブラス・バンドが背後から登場、エスマ嬢(?)と合流して、強靭なヘヴィ級のサウンドを炸裂させてくれる大判振舞いの一枚。バック陣はクレズマティックスのフランク・ロンドンがディレクションにあたり、梅津和時さんもリスペクトする、マケドニアきってのサックス奏者フェルースムスタフォフも参加というゴージャスな顔ぶれ。うねうね感、脱力感、高揚感が入り混じったサウンドにエスマのこぶしの効いた地声が絡みつき、快感。(北中正和・ミュージックマガジン 2000.7月号)
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