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 私が初めてフアン・マヌエル・カニサレスの演奏を聴いたのは、バルセロナでの私のコンサートの終演後のことでした。
 私の兄ラモンが、私の楽屋に来て、「今廊下にギタリストが来ているんだが、ぜひ彼の演奏を聴いてみた方がいい。すごく特別なギタリストなんだ」と言いました。
 そして私の楽屋に入って来たのが、フアン・マヌエルでした。彼は私たちの前で演奏しました。彼が弾き始めてすぐ、私は彼の音楽性、独創性、そして高いテクニックのすべてに驚きを隠さずにはいられませんでした。それは、まだ10歳そこそこの少年にすぎなかったのです。
 こうした少年の頃からの彼の特異性は、年月を経て、彼のキャリアとともにさらに成熟していきました。カニサレスの向上心はとどまるところを知らず、彼の音楽はさらに深いものとなりました。彼の織りなすハーモニーは、伝統的なフラメンコに新たな可能性を与え、彼の生み出すフラメンコは、美しく絶妙な音楽に満ちあふれています。
 カニサレスの深い音楽の知識と創造性、そして年を重ねるごとにさらに磨きのかかるテクニック。独創的でオリジナリティーのあるギターを演奏する彼は、現在のフラメンコ界においてもっとも注目されている演奏家なのです。
 私たちはカニサレスを、また日本で聴くことができる。なんと幸せなことだろう。その男の子もきっと聴きに来てくれるに違いない、と私は確信する。

パコ・デ・ルシア


 フアン・マヌエル・カニサレスは驚異的なギタリストである。

サー・サイモン・ラトル
(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者兼芸術監督)


カニサレス氏が爪弾くのは、
彼自身の情熱――。
熱く、深く、激しく響く、
世界最高峰の魂の音色は、
聴く者の心に、風となって吹き抜ける。

別所哲也(俳優)


カニサレスは、完璧無比なテクニックと独創性を備え、
またクラシック・ギターとフラメンコ・ギターの両方に精通した史上初のギタリスト。
全てのギター・ファン必見です!

沖仁(フラメンコ・ギタリスト)


ギターを奏する為に生を受けたフアン・マヌエル。
圧倒的で豊穣な音楽性と深い芸術性に恵まれ、巨匠の風格さえ滲ませる稀有な奏者。
蒼穹から湧き出(いず)るようなソニケーテは、私の魂の深奥を鷲掴みにしてしまったままだ。

小島章司(フラメンコ舞踊家)


カニサレスとの最初の出会いは、2004年春のキューバ・ハバナ国際ギターフェスティバルだった。アンダルシアの伝統に縛られたフラメンコの世界から解放された、ポピュラー、クラシック音楽への深い理解に基づいた音楽。カニサレスの革新的な演奏スタイルとサウンドから受けた強烈なインパクトは、あれから10年経った現在もけっして色褪せることはない。それどころか、東京やコルドバで再会し、親しくさせていただいていている間にも着々とチャレンジ精神を発揮し、ますます輝き続けている。これからどのような展開、発展を見せてくれるのだろうか。彼の音楽的な冒険から、今後も目が離せない。

福田進一(ギタリスト)


 マエストロ・カニサレスの芸術は、いつも予期せぬ驚きとともに舞い降りてくる。
 彼の音楽に初めて出逢ったのは、すべてのギタリストにとっての「神」パコ・デ・ルシアの起こすめくるめく奇跡に、魔法のように眩い超速フレーズで応えていた90年のトリオ、そして98年のパコ・デ・ルシア・セクステット。「神」が認めた「天才」の奏でる神秘は、瞬時に僕を夢中にさせた。
 続いて聴いた初のソロ・アルバムに刻みこまれた、前人未到の超絶技巧と磨きあげられた構築美。それからの再会はサプライズの連続だった。アルベニスのソナタ、組曲「イベリア」、グラナドスの「ゴイェスカス」の録音での深い洞察と智慮に満ちたスペイン音楽の神髄。あらゆる音楽との融合を遺伝子に秘めた新しいフラメンコとのめぐり逢い、そしてサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニーとの優美で圧倒的な風格溢れる「アランフェス協奏曲」。
 マエストロ・カニサレスの演奏を追いかけて、知りつくしているつもりでも、予想はかならず嬉しい衝撃に姿を変える。今年5月に至近距離で触れることのできた彼のフラメンコ、そしてクラシックの双方が、またしても僕の想像を遥かに凌駕する高みへと昇華されていた。内なる自身への巡礼を、これほどまでに揺るぎない情熱と叡智、そして獰猛な直感に結び合わせることのできる“芸術家”が、ギターで紡ぎだす歓喜と誘惑に、僕は何度でも酔わされ、魅了されつづけるだろう。

鈴木大介(ギタリスト)


 素晴らしく間口の広いギタリスト!

北中正和(音楽評論家)

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