Kepa Junkera 2000

ケパ・フンケラ来日公演2000<終了>

トラッドでアヴァンギャルド ! !
チーフタンズ、カルロス・ヌニェスも脱帽する比類なき即興、
速弾きによる天才アコーディオン・プレイ。
スペイン/バスク音楽の新時代を築いた"トラッド・シーンのピアソラ"こと、
ケパ・フンケラがついに初来日 ! !

2000年 タイトル 会場
5/19(金) 「ケパ・フンケラ 単独公演」 代々木フジタヴァンテ
5/20(土) アルタン祭り〜前夜祭」 青山CAY
5/21(日) アルタン祭り 日比谷野外音楽堂

初来日の様子

来日メンバー
Kepa Junkera (trikitixa)

Angel Unzu (guitars, mandolin)
Julio Andrade (bass, maracas)
Blas Fernandez (drums)
Harkaitz Martinez (txalaparta)
Igor Otxoa (txalaparta)

5/18、無事成田着。メンバーのほとんどが初めての日本どころか、アジア。昼食はイタリアン・・・のつもりが、店へ向かう途中で見つけた蕎麦屋に入ることに。初チャレンジの箸に悪戦苦闘しながらも、おおいに食べてましたので口にあった様子。唯一来日経験のあるBassのJulioが全員の視線を集めて食べ方講習をしていました。夜はアルタンと初顔合わせ。「アルタンやタラフと一緒に演れる曲があるといいね?」との質問に、ケパは「できそうな気がする」との嬉しい予想。

19日、フジタヴァンテにて初の公演。こちらの予想を遙かに超えた素晴らしい演奏!!会場の盛り上がりようにメンバーも大興奮で、長いアンコールとなりました。終演後は、ケパの希望で急遽サイン会行われました。20日以降はサインの時間をとるスケジュールの余裕がなかったので、貴重なケパのサインを手に入れた方、あなたはラッキーです。

コンサートは終了後も、観光のため日本に滞在したケパ。
ケパと婚約者とは箱根で温泉を楽しみ、5/26には笙の奏者と会ったそう。

「かわいい〜」と、女性の人気を集めていたチャラパルタ奏者のイゴール&アルカイツは、26日に代官山「ポレ・ポレ」で記者及び音楽関係者を集めたプロモーション・イベントを行いました。コンサート終了後「あの楽器は一体なんだ?」という問い合わせが殺到したため急遽実現したもので、チャラパルタの特徴、歴史を質問形式で紹介。演奏に加えて、歌(馬のいななき?)も飛び出し、盛り上がった夜となりました。楽器のないケパは(荷物はすでにスペイン)は終始その様子を自前のビデオカメラに収録。

来日記念パンフレット通信販売


来日によせて

「ケパ・フンケラ〜究極のアクースティック・グルーヴ」
 ヨーロッパの草の根的なポピュラー音楽では、アコーディオンは最も基本的な楽器の一つだ。ほとんどの国にアコーディオンの名手がいて、伝統的なものから実験的なものまで、さまざまな演奏を行なっている。
 バスクから登場したケパ・フンケラは、この十数年、トリキティシャ(アコーディオン)を使ってバスクの伝統的な音楽をディープに掘り下げることはもちろん、ヨーロッパ各地、さらにはマダカスカルやアメリカのミュージシャンともポップに共演を続けてきた注目のアーティストだ。その人気はバスクにとどまらない。2年前の『ビルバオ、オラ・セロ』はワールド・ミュージック・チャート・ヨーロッパの年間トップ5に入っている。
 スローからアップ・テンポまで、彼のトリキティシャは軽快に実直に空気を震わせる。最近注目を浴びているチャラパルタ(バスクの打楽器)を含む編成のバンドでの来日公演では、究極のアクースティック・グルーヴが味わえそうだ。

北中 正和


 大人になるまでは、アコーディオンを好きな楽器の一つとして挙げることはまずなかったと思う。アコーディオンという楽器は、ロック少年にはむしろ敬遠する存在だった。その感覚が変わったのは、おそらくライ・クーダーの『チキン・スキン・ミュージック』で出会ったテックス・メックスの王様フラコ・ヒメネスからだろう。その後、ルイジアナのクリフトン・シェニエ、アイルランドのシャロン・シャノン、フィンランドのマリア・カラニエミなど、相当好きなアコーディオン奏者が何人かいるし、間違いなく好きな楽器として挙げられるようにもなった。
 そして4年程前に、徐々に音楽を聴く間口を広げているつもりでいたぼくの目から更にウロコを落とす音に、友人の紹介で出くわした。バスク人のトリキティシャ(バスク語でいうボタン式アコーディオン)奏者のケパ・フンケラだ。当時バスク地方の音楽は完全な未知数だったのでそれ自体に馴染むのに少し時間がかかったが、ケパの演奏には瞬間的に惹かれた。指使いの上手さはもちろん、バネの効いた彼のリズム感が特に印象的だった。よくもこんなに他の国のメロディと違う、というバスクの曲の雰囲気をふんだんに出しながら、場合によってはジャズやファンクの要素を加えたりもする。またバスク地方特有の面白い伝統楽器チャラパルタ(木の板を使った打楽器)やアルボカ(牛の角笛)をとてもモダンな感覚で生かしつつ、ケパは全くユニークな音世界を築いてきた。気がついたら彼の色々なアルバムを誰のよりも頻繁に聴くようになっていた。そして、内容的には優れているが、必ずしも入手しやすいとは言えない彼の作品の中から、日本だけの企画としてコンピレーションCDを組むという願ってもない機会に恵まれ、先日その結果として生まれた『Tricky!』がめでたく発売された。
 この形で彼の来日公演まで実現するのはこの上なく嬉しい。ケパについてもっと知りたい方はぜひ『Tricky!』の解説を参考に、と書こうと思ったが、彼のライヴを観たら、ぼくが黙っていても多くの方が聴きたくなるに違いない。

ピーター・バラカン