●Gusty's Frolicks, Con's Slip
Jig, The Pretty Young Girls of Carrick and the Humours of Whiskey(元気のいい仲間達/コンによるダンス曲/キャリックのかわいい娘たち/ウィスキーのユーモア)
私たちが何年も前からセッションで演奏してきた4曲のジグで、ダンスにぴったりのにぎやかなチューンです。CD『アナザー・スカイ』に録音しました。1曲目はメンバー全員が影響を受けてきた素晴らしいフィドル奏者ジョン・ドハティの演奏から覚えました。〈Con's
Slip Jig〉はティーリン出身の友人コン・キャシディが私たちに教えてくれました。コンは5年前に亡くなりましたが、思いやりに溢れたもてなし好きの人で、私たちはしばしば彼の田舎にある家でセッションをしました。彼の妻メアリー・ケイトが「もっとやってよ」とけしかけてくれたものです。3曲目の「キャリック」はティーリンのすぐそばにある村で、このジグはフィドル奏者たちにとって昔からのお気に入りです。最後の〈the
Humours of Whiskey〉は……そうですね、私たちは皆ウィスキーが大好きですからね!
●Ten Thousand Miles(1万マイル)
英語圏の国々のいたるところに伝わっている古い歌です。昨年私たちはアメリカの歌手メアリー・チェイピン・カーペンターと一緒にツアーをしたんですが、彼女がこの曲を歌うのを聴いて、アイルランドに伝わるヴァージョンを私たちも好きだったことを思い出しました。すばらしいイメージをもつ美しい愛の歌です。
[訳註:〈Fare Thee Well My Own True
Love(さらば、愛しきひと)〉の題名で、メアリー・ブラックやジューン・テイバー、ジョーン・バエズらが録音している。チェイピン版の〈1万マイル〉は96年の映画『グース/Fly
Away Home』の主題歌として発表され、99年のベスト・アルバム『パーティ・ドール』で初めてCD化された]
●Girl from the North Country(北国の少女)
とっても美しいこの曲はボブ・ディランが書いたものですが、もっと古い伝統歌を基にしています。初めて聴いたときは、てっきり伝統歌だと思ったんですよ!私たちはとっても美しい曲だと思っています。
[訳註:皆さんも御存知のように、ディランはイングランドの伝統歌〈スカーバラ・フェア〉(サイモン&ガーファンクルが取り上げた〈スカボロー・フェア〉のこと)を参考にしている]
●Dulaman(ドゥラモン)
私たちのレパートリーのなかでも最も人気の高い曲のひとつです。 二つの異なった種類の海草の間に交される会話をもとにした子供の歌のようです。古いゲール語の歌には英語や他の言葉にうまく翻訳できないものがありますが、私たちはこの曲のもつリズムと楽しい感じが大好きなんです。
●The Dispute at the Crossroads, Columba Ward's and Siuns Reel
(十字路の口げんか/コロンバ・ウォード作品/シューンのダンス曲)
3曲の陽気なリール。リールはダンス音楽で、アイルランドの伝統音楽でもっともよく演奏されるリズムです。キーラン・クランがブズーキで演奏する駆り立てるようなイントロから、このセットは始まり、フィドルが加わるとテンポが加速します。コロンバ・ウォードはドニゴールのキャリック出身で、ダーモットの友人でした。2曲目は彼が昨夏亡くなる直前に私とダーモットのために弾いてくれたものです。私たちはこのチューンとともに彼と彼の音楽のことを忘れずにいるでしょう。最後のチューンはキーラン・トゥーリッシュが昨年彼の奥さんに捧げて書いた曲です。
(訳・註 五十嵐正)
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