Meshell Ndegeocello / Pour une Ame Souveraine ~ a dedication to nina simone

ミシェル・ンデゲオチェロ
『至高の魂のために〜ニーナ・シモンに捧ぐ』

ニーナ・シモン生誕80周年記念アルバム。

ニーナ・シモンの歌唱で知られる楽曲の数々を、その魂を受け継ぐミシェル・ンデゲオチェロが現代に蘇らせる。21世紀の真のソウル・ミュージック。

ニーナ・シモンのトリビュート・アルバムにふさわしいゲストたちが多数参加。
ゲスト:リズ・ライト(8)、トシ・レーガン(3)(4)、ヴァレリー・ジューン(9)、シネイド・オコナー(7)、コーディ・チェスナット(13)、トレイシー・ワノマエ(11)

発売日:2012年10月10日
品番:VITO-115
解説:渡辺亨/オリジナル解説対訳付
定価:2,400円(税別)

品切れ

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ミシェル・ンデゲオチェロ/ウェザー
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曲目リスト
01. 悲しき願い
Please Don't Let Me Be Misunderstood

02. スザンヌ
Suzanne

03. リアル・リアル (feat.トシ・レーガン)
Real Real feat.Toshi Reagon

04. 朝日のあたる家(feat.トシ・レーガン)
House of the Rising Sun feat. Toshi Reagon

05. ターン・ミー・オン
Turn Me On

06. フィーリング・グッド
Feelin' good

07. ドント・テイク・オール・ナイト(feat.シネイド・オコナー)
Don't Take All Night feat. Sinead O'Connor

08. みんな私のせいよ(feat.リズ・ライト)
Nobody's Fault But Mine feat. Lizz Wright

09. ビー・マイ・ハズバンド(feat.ヴァレリー・ジューン)
Be My Husband feat. Valerie June

10. わが恋人の黒髪(feat.ヴァレリー・ジューン)
Black is the Color of My True Loves Hair feat. Valerie June

11. シー・ライン・ウーマン(feat.トレイシー・ワノマエ)
See Line Woman feat. Tracy Wannomae

12. イーザー・ウェイ・アイ・ルーズ
Either Way I Lose

13. トゥ・ビー・ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック(feat.コーディ・チェスナット)
To Be Young, Gifted and Black feat. Cody ChesnuTT

14. フォア・ウィメン
Four Women

内容紹介/コメント等
ソウル、ファンク、ジャズ、ロック、フォーク、ヒップホップ・・・、ジャンルの壁を越えて豊かな音楽を作り出してきたミシェル・ンデゲオチェロのニュー・アルバムは、2012年に生誕80周年を迎える孤高のソウル・シンガー、ニーナ・シモンに捧げた一枚。一般的に、ジャズ・シンガーにカテゴライズされるニーナ・シモンだが、もともとはクラシックのピアニストを目指して大学で学び、スタンダードからソウル、ロック、フォークといった当時流行の音楽まで幅広くレパートリーにしていた。また、黒人公民権運動に没頭しながらも、白人が作った歌を歌う柔軟さも持ち合わせている。ミシェルはニーナ・シモンの背中を追ってきたニーナ・シモン・チルドレンと言ってもいいだろう。このアルバムでは、ニーナ・シモンの歌唱で知られる楽曲の数々を、その魂を受け継ぐミシェル・ンデゲオチェロが現代に蘇らせている。21世紀の真のソウル・ミュージックとして聴かれるべきアルバムの誕生だ。

【Meshell Ndegeocello】
 1969年に米軍に所属する父親の赴任先だったベルリンで誕生。幼いころに移ったワシントンD.C.で育ち、地元のゴー・ゴー・ミュージック・シーンでベースの腕を磨く。ハワード大学で音楽を学んだ後、ニューヨークで本格的に音楽活動を始め、各社争奪戦の末、マドンナが主宰するレーベル「マヴェリック」と契約。1993年のデビュー作『プランテーション・ララバイ』以来、現在までに10枚のオリジナル・アルバムを発表している。
 別項にあるとおり、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、ロック、ラテン等々、幅広い音楽から影響を受けてきた彼女は多彩なミュージシャンと共演しており、ジャンルの壁を越えたオリジナリティあふれる音楽を作り出している。

ミシェル・ンデゲオチェロの魅力を探るためのキーワード

ンデゲオチェロとプリンス
 ミシェル・ンデゲオチェロが最も影響を受けたアーティストは、プリンス。2011年6月には、全編プリンスのカヴァーで構成したコンサートを開催、オリジナルとは大きく異なるアレンジも披露し、会場を埋め尽くした観客を魅了した。その模様の一部はYouTubeなどで見ることができる。過去に敬意を払いつつ、あふれる才能で音楽の未来を切りひらいてきたプリンスが生み出した“プリンス・チルドレン”は多くいるが、そのなかでももっともプリンスに近い存在がミシェルと言ってもいいだろう。

ンデゲオチェロとソウル/R&B/ファンク
 プリンス以外にも、新作でカヴァーしたニーナ・シモンや、Pファンク(ジョージ・クリントン)をはじめとするソウル/R&B/ファンクは、ミシェルの音楽性のベースにあり、セカンド・アルバム『ピース・ビヨンド・パッション』は同時期に大きな盛り上がりを見せたニュー・クラシック・ソウルの名盤として現在でも評価が高い。そこではビリー・プレストンがオルガンを弾いているほか、これまで自身のアルバムにレイラ・ハサウェイ、キャロン・ウィーラーらを招き、チャカ・カーン、レデシー、エリック・ベネイ、リズ・ライト、ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマのアルバムやアース・ウインド・アンド・ファイアのトリビュート作などに参加してきた。映画『永遠のモータウン』では、マーヴィン・ゲイの「クラウド・ナイン」とスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの「ユーヴ・リアリー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー」を歌っている。

ンデゲオチェロとヒップホップ
 2012年前半の音楽シーンで話題を呼んだロバート・グラスパー・エクスペリメントのアルバム『ブラック・レディオ』にエリカ・バドゥ、モス・デフらと共に参加。ジャズからヒップホップに大胆にアプローチしたロバート・グラスパーの姿勢は、ジャンルを越境していくミシェルに通じるものがある。ちなみに、ミシェルのデビュー作にはDJプレミアが、『クッキー:ジ・アンスロポロジカル・ミックステープ』にはミッシー・エリオット、タリブ・クウェリ、レッドマンが参加している。

ンデゲオチェロとロック/ポップス
 2011年のアルバム『ウェザー』をジョー・ヘンリーがプロデュースし、ジョン・メレンキャンプとのデュエットで発表したヴァン・モリソン「ワイルド・ナイト」のカヴァーは全米シングル・チャートで3位を獲得する大ヒットに。これまでに、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ベースメント・ジャックスなどのアルバムに参加。マジソン・スクエア・ガーデンで行われたザ・フーの「四重人格」再現ライヴ、スティング、デイヴ・マシューズ・バンドのツアーに帯同している。

ンデゲオチェロとジャズ
 マドンナが主宰するレーベル、マヴェリックを離れた後ミシェルが契約したのは、クリフォード・ブラウン、キャノンボール・アダレイらが所属していた老舗ジャズ・レーベルのエマーシー。そこから発表したアルバム『ザ・スピリット・ミュージック・ジャミア』では、カサンドラ・ウィルソン、ブランドン・ロス、ドン・バイロン、ケニー・ギャレットなど、多くのジャズ・ミュージシャンを迎えた。マヴェリック時代の作品にもジョシュア・レッドマン、マーカス・ミラーなどが参加しており、初期からジャズへの積極的なアプローチがあったことがわかる。


【ニーナ・シモンについて】
(Nina Simone 1933 - 2003)
 ニーナ・シモンは、1933年ノースカロライナ州タイロン生まれ。幼い頃からピアノを弾き、クラシックのピアニストを目指してジュリアード音楽院でピアノと作曲を学んだ。1957年にベツレヘム・レコードからリリースされたデビュー・アルバム『Little
Girl Blue』に収められている「アイ・ラヴ・ユー・ポーギー」がヒット。それから70年代のはじめまではレコード会社をたびたび移籍しながら毎年アルバムを発表した。当時のポピュラー・シンガーがそうだったように、ニーナも同時代のヒット曲を自らのレコードで歌っている。ビートルズ、ボブ・ディラン、バート・バカラック、レナード・コーエン、バリー・マンやブルース、フォーク、スタンダードなど、さまざまなジャンルの楽曲を歌ったほか、ソングライターとしても高く評価された。彼女が書いた曲のなかには、公民権運動が盛り上がった60年代の空気を大きく吸い込んだプロテスト・ソングもある。晩年はフランスで暮らし、2003年に地中海に面した南仏の田舎町、カリ・ル・ルエで亡くなった。享年70。
 ミシェル・ンデゲオチェロ以外にも、彼女からの影響を公言するミュージシャンは多く、ジョン・レノン、ヴァン・モリソン、ジャニス・ジョプリンからカニエ・ウエスト、アントニー・ハガティ(アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ)、アマンダ・パーマーまで枚挙にいとまがない。また、U2の代表曲のひとつ「ラヴ・イズ・ブラインドネス」はボノがニーナ・シモンに捧げるために書いた曲だと言われている。